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養蜂の師匠、そして蜂との出会い

師匠はお酒が大好きで、アルコールの入ってる物は何でも飲みます。

仕事中は水分は摂らないのに、休憩中に日本酒だと酔いすぎるから…と言って、ビールを飲んでしまうほどのお酒好きです。

こんな師匠ですから、暑い日などは熱中症が心配になって、私がムリムリ水を飲ませたりしています。

初めて師匠の手伝いに行った時は、いきなり仕事の合間にビールを出され、ビックリしたのを昨日のことのように覚えています。

私はお酒があまり飲めないのですが、緊張していたので逆らえず、ムリして飲んだのを懐かしく思います。


私にミツバチを教えてくれた師匠は、最初は戦中くらいからミツバチを飼い始めました。

当時はミツバチ一箱が当時の値段で一万円もしたそうです。

誰も回りにミツバチを飼っている人もいないので、手探り状態での飼育だったそうです。

しかし山形の冬の厳しさもあり、その年は冬を越えることができず、ミツバチをダメにしてしまったそうです。


翌年、また一万円でミツバチを買い、今度は冬越しのために、国から配給された砂糖1㎏と、さらに闇市で仕入れた砂糖をミツバチに餌として与え、ようやく冬越しに成功したそうです。

そこからが師匠の、養蜂家としての始まりでした。

当時の一万円はとても大金だったので、お金持ちの家でもないのにミツバチを買うなんて、余ほどの物好きだったんだろうな~と思います。

87歳(2009年現在)にもなって、もうすぐ引退するのに


『蜂飼いとは研究だ、俺などこの年になっても分からん』


と言うのが師匠の口癖で、僕ヘの定番の説教でもあります。

しかし師匠の一歩がなければ今の僕も無いんだと思うと、師匠には畏敬の念を抱かずにはいられません。

ただ師匠は、全てを独学で頑張って来たこともあり、とてもミツバチに対しては頑固ですので、僕との衝突も多々あります。。。(汗)


僕が養蜂を始めたきっかけは、初めて師匠を手伝った時


『蜂が働くから人間は何もせんでもいい』


と言われたことに、ちょっぴり不純な魅力を感じたからでした。
(その時も師匠は酒を飲み、長い昼寝をして暇そうだったので、妙に説得力がありました(笑))

虫が大嫌いだった僕ですが、師匠の話を聞くうちにミツバチの魅力に惹かれてしまい、頼まれてもないのに「明日も来ます」 と言い残してその日はお別れしました。

二日目には蜂の色んな仕草に惚れてしまい、


「お金貰わなくていいから、明日から手伝わせてください」


と言ってしばらく通うことになりました。

年間を通しての仕事なんて何も解っていなかったのに、


『蜂が働くから人間は何もせんでもいい』


という師匠の言葉に浮かれ、私もミツバチを飼う事を決めたからでした。

そしてミツバチを師匠から一箱貰い、自分でミツバチを飼い始めた……のが、苦労の始まりでした。。。(笑)

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